2016年度初回のエスノメソドロジー・会話分析入門セミナーを8月27日-28に九州大学西新プラザで開催しました。これまで入門セミナーは関東圏と関西圏で開催してきましたが、今回は初の九州地方での開催です。人の入りは盛況で、エスノメソドロジーの初歩からデータの撮り方、トランスクリプトの作り方といった実践的学習、会話分析の基礎的概念に至るまで、バラエティ豊かな内容のセミナーが行われました。
セミナーの詳細は「2016年度エスノメソドロジー・会話分析入門セミナー」をご覧ください。
開催報告
一日目(8月27日)
初日は、データの収録の仕方とエスノメソドロジーの初歩の学習です。
秋谷直矩講師の「ビデオデータの撮り方」では、ビデオデータを収録する際の基本的な技法を、実習を交えて学びました。 | |
小宮友根講師の「エスノメソドロジーの視点」では、固有の方法をもたないエスノメソドロジーがいかにして研究を行うか、具体例を交えながらその考え方を紹介しました。 | |
森一平講師の「エスノメソドロジーの分析」では、フィールドノーツ及びインタビューデータの特徴にそくした、エスノメソドロジーの具体的な分析がどう行われるかを学びました。 |
二日目(8月28日)
二日目は、トランスクリプトの作り方と会話分析の基礎概念の学習です。
横森大輔講師の「トランスクリプトの作り方」では、講師のこれまでの書き起こし遍歴をふまえながら、具体的な書き起こしの工夫と注意点が説明されました。 | |
黒嶋智美講師が担当する「行為連鎖組織」は、「質問—返答」や「依頼—受諾/拒否」等々の行為の組み合わせを出現させる組織です。その基礎的な概念が、具体的な会話例を参照しつつわかりやすく説明されました。 | |
平本毅講師の「順番交替組織」では、実際に行列を作って順番交替を体験する演習なども交えながら、発話の順番がどこで完了しうるか、次の発話順番を誰に割り当てるか、発話同士が重なった場合にそれをどう解決するかなどを学びました。 |