2010年度 秋の研究大会 短信
下記の要領で,エスノメソドロジー・会話分析(EMCA)研究会の年次研究大会を開催する予定です.様々な分野から多くの方にご参集いただき,議論に加わっていただけますことを期待しております.なお,午後のシンポジウムでは,「医療とケアのエスノメソドロジー」に焦点を当てたいと考えております.エスノメソドロジーは、ガーフィンケルの精神病院外来の研究、サックスの自殺予防センターの研究、サドナウの病院死の研究などに代表されるように、医療やケアを題材とした研究を通じてその基盤を形作ってきました。また、会話分析の進展に伴って、近年では、メイナードやヘリテイジらを筆頭に、医療やケアに関する緻密な経験的研究が豊富に生み出されてきており、この動向は英米圏にとどまらない広がりを見せつつあります。日本においても、先ごろ出版された『女性医療の会話分析』に代表されるように、エスノメソドロジー・会話分析の方法論に基づいて医療・ケアの分析を行う研究者が増えてきています。このシンポジウムは、こうした動向を受けて、日本における医療とケアに関するエスノメソドロジー・会話分析研究の現状を共有するとともに、この動向をさらに推し進め、国際的に通用する研究成果を日本から生み出していくひとつのきっかけにしたいと思います。
(担当世話人:川島理恵,串田秀也)
