西阪 仰・早野 薫・須永将史・黒嶋智美・岩田夏穂、2013、共感の技法──福島県における足湯ボランティアの会話分析

本書は、会話分析にもとづく相互行為論の立場から、東日本大震災以後、福島県で行なわれている足湯ボランティア活動における、足湯利用者とボランティアの相互行為上の手続きを分析した研究書である。ほぼ初対面で行なわれる足湯ボランティアの枠組みの中で、どのような組織だった活動が行なわれているのかを、研究者だけではなく、できるだけ多くの方に読んでいただける形にまとめている。ボランティアの共感的反応、マッサージと会話の複合的活動の組織、利用者による話題の展開などは、どのような手続きに従ってなされているのかを詳細に記述することで、コミュニケーション・ボランティアとしての足湯活動の側面を照らしだしていく。

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南出和余・秋谷直矩、2013、フィールドワークと映像実践──研究のためのビデオ撮影入門



本書は、文化人類学と社会学の現場でビデオがどのように使われているかを説明することをとおして、実践的なビデオ撮影・ビデオ利用入門書となることを意図している。ビデオを利用する目的から撮影許可証の作成、肖像権利用の許可証の作成から実際のビデオ作品の製作・分析、ビデオ撮影の技術までをわかりやすく解説している。

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マイケル・リンチ(水川喜文・中村和生 監訳)、2012、エスノメソドロジーと科学実践の社会学

本書は、社会学から生まれたエスノメソドロジーの誕生と展開を詳述した基本書である。入門的論点から、会話分析の興隆と陥穽、ウィトゲンシュタインに着想を得た独自の視点までも論じる。また、科学実践の社会学の先駆者ラトゥールらの「新しい」科学社会学との相違やエスノメソドロジーの向かうべき方向性も提示する。

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小宮友根、2011、実践の中のジェンダー──法システムの社会学的記述

ジェンダーという言葉は、性と社会をめぐる議論では社会的な性差を指す言葉としてすっかり一般的な表現です。しかし性差が〈社会的〉だとはいったい何 を意味するのでしょうか。性差の原因が後天的・人為的だということでしょうか?  著者はこの一般的理解が陥る危険を示し、より豊かな現実の理解のため、社会の現場に戻る経験的な研究を促します。私たちの社会生活は、お互いに行為し理解しあうという〈意味〉をめぐるやりとりであり、「性現象の社会性」はこの社会生活の実際を適切に記述することでこそ明らかになるというのです。フェミニズムやシステム理論が予示した社会秩序の研究を、ジェンダーと法をめぐるトピックを実際に記述するなかで実現する清新な野心作です。

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Sarah Collins, Nicky Britten, Johanna Ruusuvuori and Andrew Thompson 編(北村隆憲・深谷安子 監訳)、2011、患者参加の質的研究──会話分析からみた医療現場のコミュニケーション

医療現場の会話から何がわかるか?これまでにない視点で患者参加の実態と多様性に迫る!

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杉原由美、2010、日本語学習のエスノメソドロジー──言語的共生化の過程分析

地域や大学で行われている日本語の学習場面において、「外国人/日本人」というカテゴリー化はいかに形成されるのか。相互学習型活動の実践と参与観察から、非対称的な関係性の中で異質性が顕在化するメカニズムを解明。さらに、「対立」の克服に至る「協働」の現象を分析し、多言語・多文化共生を目指すための学習展開を考察する。

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H. サックス/E. A. シェグロフ/G. ジェファソン (西阪 仰 訳・S. サフト 翻訳協力)、2010、会話分析基本論集──順番交替と修復の組織

会話がいかに精巧に組織されているかを明らかにした、最も基本的な論文の日本語訳。精細な解説的訳注付き。人間の相互行為への深い洞察に満ちた一冊。アメリカ言語学会の『Language』誌に掲載された論文中、最も多く引用された論考を収録。

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串田秀也・好井裕明、2010、エスノメソドロジーを学ぶ人のために



身近なリアリティから社会学的探究へ ― エスノメソドロジーの考え方を、平易な言葉と身近な例示によって説き、そのおもしろさを伝え、読者を社会学的探究へと誘う。初学者のために徹底してわかりやすく編まれた格好の入門書。

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酒井泰斗・浦野 茂・前田泰樹・中村和生 編、2009、概念分析の社会学──社会的経験と人間の科学

概専門的知識と社会的経験。概念を介した両者の相互作用のなかに、実践の論理を探る。エスノメソドロジー研究の新展開。

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鶴田幸恵、2009、性同一性障害のエスノグラフィ──性現象の社会学

私の研究の目的は、人が「女あるいは男であること」と、「女らしく、あるいは男らしくあろうとすること」がどのように関係しているのかを明らかにすることであり、本書は、その目的を果たすための一歩であった。そこで本書では、第一に、性別判断──それは他者を女か男であると見ることだ──とは、どのような実践であるのかを明らかにしながら、その実践の複雑さに起因する、性同一性障害の人びとが女らしさや男らしさに駆り立てられ続けてしまう仕組みを記述した。第二に、正当な性同一性障害──それは正当な女/男であろうとすることだ──であるために、きわめて道徳的な基準を設定し、それを満たすべく、よりいっそう女/男らしさに彩られた女/男であることに向かって駆り立てられてしまうありようを記述した。したがって、本書は、性同一性障害のエスノグラフィでありながら、同時に、Goffman の議論や、エスノメソドロジーと呼ばれる研究分野に代表される相互行為の研究群の手法を参照した、性現象の社会学でもある。p.202(終章より)

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