Sarah Collins, Nicky Britten, Johanna Ruusuvuori and Andrew Thompson 編(北村隆憲・深谷安子 監訳)、2011、患者参加の質的研究──会話分析からみた医療現場のコミュニケーション
医療現場の会話から何がわかるか?これまでにない視点で患者参加の実態と多様性に迫る!
医療現場の会話から何がわかるか?これまでにない視点で患者参加の実態と多様性に迫る!
地域や大学で行われている日本語の学習場面において、「外国人/日本人」というカテゴリー化はいかに形成されるのか。相互学習型活動の実践と参与観察から、非対称的な関係性の中で異質性が顕在化するメカニズムを解明。さらに、「対立」の克服に至る「協働」の現象を分析し、多言語・多文化共生を目指すための学習展開を考察する。
会話がいかに精巧に組織されているかを明らかにした、最も基本的な論文の日本語訳。精細な解説的訳注付き。人間の相互行為への深い洞察に満ちた一冊。アメリカ言語学会の『Language』誌に掲載された論文中、最も多く引用された論考を収録。
続きを読む H. サックス/E. A. シェグロフ/G. ジェファソン (西阪 仰 訳・S. サフト 翻訳協力)、2010、会話分析基本論集──順番交替と修復の組織
身近なリアリティから社会学的探究へ ― エスノメソドロジーの考え方を、平易な言葉と身近な例示によって説き、そのおもしろさを伝え、読者を社会学的探究へと誘う。初学者のために徹底してわかりやすく編まれた格好の入門書。
概専門的知識と社会的経験。概念を介した両者の相互作用のなかに、実践の論理を探る。エスノメソドロジー研究の新展開。
私の研究の目的は、人が「女あるいは男であること」と、「女らしく、あるいは男らしくあろうとすること」がどのように関係しているのかを明らかにすることであり、本書は、その目的を果たすための一歩であった。そこで本書では、第一に、性別判断──それは他者を女か男であると見ることだ──とは、どのような実践であるのかを明らかにしながら、その実践の複雑さに起因する、性同一性障害の人びとが女らしさや男らしさに駆り立てられ続けてしまう仕組みを記述した。第二に、正当な性同一性障害──それは正当な女/男であろうとすることだ──であるために、きわめて道徳的な基準を設定し、それを満たすべく、よりいっそう女/男らしさに彩られた女/男であることに向かって駆り立てられてしまうありようを記述した。したがって、本書は、性同一性障害のエスノグラフィでありながら、同時に、Goffman の議論や、エスノメソドロジーと呼ばれる研究分野に代表される相互行為の研究群の手法を参照した、性現象の社会学でもある。p.202(終章より)
私たちは、心について考えたり語ったりするとき、それをつい個人の能力や性質として見てしまいます。しかし、私たちが他者の感情を読み取ったり動機を推し量ったりするのは、さまざまなやりとり、すなわち実践においてです。心は、実践の中でその形を表すのです。本書は、歯科や看護、検査、言語療法など、ひろい意味での医療の現場における実践において、動機、感覚、感情、記憶などがどのように使用されているかに焦点を合わせながら、私たちの「心の文法」をつまびらかにしていきます。社会学、心理学、言語学、哲学、また、研究の対象領域である医療など、幅広い分野からの関心を呼ぶものと期待されます。著者は、好評入門書『ワードマップ エスノメソドロジー』の編者のひとり。
私たちの生きる現実の世界はどのようにつくられ、そしてつくられつつあるのか。文化的につくられる世界を身近な切り口から柔軟に鮮やかに論じる。文化心理学の立場から世界とそのつながりを読み解いた好著。
本書は、日本語の相互行為を扱った「会話分析」の本格的な仕事の1つだ。産婦人科医療における、医療従事者と妊婦・患者とのやりとりを直接ビデオに収録し、目の向きから、手の動き、細かなことばの振動まで、やりとりの細部に目を凝らす。そこに見えてくるのは、縺れ合うことばとからだと道具が、互いの意味を担い合い、鍛え合う様子にほかならない。見るとは、触れるとは、訴えるとは、聞くとは、……どういうことなのか。
ヴィトゲンシュタイン派エスノメソドロジーを出発点におき、会話分析の構えに拠りながら、相互行為における行為の組織を検討しました。「ことば」と「からだ」と「もの」が、互いの構造に依存しながら、互いの構造を鍛えあう様子に焦点を当て、人間の行為がどのような仕掛けにより生み出されるかを、原理的に考えました。扱っている素材は、楽器の練習、助産院や産婦人科医院における健診・診察、日常会話です。