2014年度二回目の会話分析初心者セミナーを2月14日-15に国立情報学研究所学術総合センターで開催しました。
開催報告
前回は諸事情により6コマを3コマずつ分割開催しましたが、今回は念願の6コマ連続開催です。6コマは会話分析研究の具体的な進め方にしたがって配置されており、すべて受講すると基礎的な流れがわかるようになっています。二日間に渡って、朝から夕方まで授業を行う過密日程でしたが、たくさんの参加者がその多くを受講し、濃密かつ活発な学習の時間になりました。
セミナーの詳細は「2014年度第2回会話分析入門連続セミナーのお知らせ」をご覧ください。
初日(2月14日)
初日は、データの収録の仕方から分析の進め方までの学習です。
秋谷直矩講師の「ビデオデータの撮り方」では、ビデオデータを収録する際の基本的な技法を、実習を交えて学びました。 | |
安井永子講師の「書き起こしの仕方」では、収録してきたデータの書き起し方を学びます。 トランスクリプト記号が一つ一つ丁寧に紹介されるとともに、会話分析者が書き起しに際して気をつけるべきことが述べられました。 |
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平本毅講師の「会話分析の基本的な考え方」では、実際にデータを聞き、トランスクリプトをみながら、分析を進める際の基本的な考え方をグループワーク形式で学びました。 |
二日目(2月15日)
二日目は、分析に際して取り扱う具体的なトピックの学習です。
鈴木理恵講師が担当する「順番取得組織」は、誰かが発話順番を形作り、話し終えて、次に誰かが話し始める仕方を決める体系的な取り決めであり、これは会話分析において中心的なトピックの一つです。このトピックにかんする基本的な論点をみっちり学びました。 | |
黒嶋智美講師が担当する「行為連鎖組織」は、順番取得組織により形作られた発話順番を複数組み合わせて、「質問-返答」や「依頼-受諾/拒否」等々の行為を行うための体系的な取り決めです。行為連鎖に関わるトピックが網羅的に紹介されました。 | |
城綾実講師の「相互行為における非言語的資源」では、身振りや視線、頷きといった非音声言語的な振る舞いの研究例と、分析の仕方が説明されました。 これは会話分析研究の中では比較的新規な分野で、まとまった文献もないトピックなので、受講生の関心も高かったようです。 |