2012年度 春の研究例会

概要

下記のとおり、エスノメソドロジー・会話分析研究会2012年度春の例会を行ないます。今回も昨年同様書評セッションを設けました。活発な議論のためできるかぎり対象論文を事前にお読みの上ご参加いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

担当世話人:小宮友根 西阪 仰 高木智(最終更新:2013年3月11日)

小池智哉(埼玉大学)

日時 2013年3月30日土曜日9:30-17:10
場所 筑波大東京キャンパス(文京校舎) 502教室 [交通アクセス
キャンパスマップ
大会参加費 無料(会員・非会員とも)
事前参加申込 不要

プログラム

個人報告

09:30-10:20 福田千恵(埼玉大学) 小池智哉(埼玉大学)「日系人ミュージアムの語り―ガイドツアーにおけるアイデンティティ/カテゴリーの構築」[→概要
10:30-11:20 福島三穂子(埼玉大学)「コミュニティの喪失と再生の歴史の中での日系人の語り」[→概要
11:30-12:20 西阪 仰(明治学院大学) 須永将史(首都大学東京)「福島県における「足湯」ボランティア活動における複合活動の相互行為的組織」[→概要
12:20-13:20 昼休み

書評セッション

13:20-14:30 戸江哲理(2012)「会話における親アイデンティティ――子どもについての知識をめぐる行為の連鎖」『社会学評論』62(4>
評者:串田秀也(大阪教育大学)、早野薫(お茶の水女子大学)
14:40-15:50 Kuroshima Satomi (2010) “Another look at the service encounter: Progressivity, intersubjectivity, and trust in a Japanese sushi restaurant,” Journal of Pragmatics 42(3)
評者:平本毅(立命館大学)、Eric Hauser(電気通信大学)
16:00-17:10 森一平(2011)「相互行為のなかの『知っている』ということ――社会化論が無視してきたもの」『教育社会学研究』8>
評者:五十嵐素子(上越教育大学)、小宮友根(日本学術振興会)

報告概要

福田千恵(埼玉大学) 小池智哉(埼玉大学)「日系人ミュージアムの語り―ガイドツアーにおけるアイデンティティ/カテゴリーの構築」

概要

本研究ではハワイ・アメリカ本土の日系人ミュージアムにおける、ガイドツアーの語りを成員カテゴリー分析(MCA)と会話分析(MCA)の観点から論じる。一般にミュージアムでのツアーは、解説をする者(ガイド)からされる者(観客)への一方的な語りと見られがちである。しかしエスノメソドロジーの観点から見れば、ミュージアムという制度的状況(institutional setting)の中で、局所的な文脈やマクロレベルの歴史的・文化的背景などをリソースにして両者が作り出す社会的相互行為である。「ガイド」「観客」というアイデンティティやカテゴリーは所与のものではなく、この相互行為を通して出現する。「日本人」「日系人」「オキナワン」「アメリカ人」なども同様である。本研究では、これらのアイデンティティやカテゴリーが参与者によってどのように扱われ、構築されていくのかを検証する。

福島三穂子(埼玉大学)「コミュニティの喪失と再生の歴史の中での日系人の語り」

概要

コミュニティの喪失と再生の歴史の中での日系人の語り概要:カナダのバンクーバーへ移民した日本人は、世界大戦が始まると強制移動を迫られ、一時住み慣れた土地を離れなければならなかった。戦後バンクーバーに戻った人々は、再びそこでの生活を切り開きコミュニティを作っていった。そういった意味で、バンクーバーの日本人街は喪失されたコミュニティが再び再生された現場である。今回は、そのコミュニティの重要な交流の場であるスティーブストン仏教会でのガイドの語りを分析していきたい。歴史的に、この仏教会は、キリスト教の教会と仏教のお寺の融合が行われて来ている場所でもある。その場所で日本人観光客に対して、日系人社会と文化の喪失と再生の物語が、日系人ガイドによってどのように語られ、構築されていくのか、を考察していく。

西阪 仰(明治学院大学) 須永将史(首都大学東京)「福島県における「足湯」ボランティア活動における複合活動の相互行為的組織」

概要

2011年3月の東日本大震災、および直後の津波、さらに原発の爆発は、多くの人びとに長期にわたる避難を強いることになる。この報告では、(昨年度に引き続き)震災直後から、福県下の避難所および応急仮設住宅で行なわれていた、いわゆる「足湯」ボランティア活動における相互行為について検討したい。足湯ボランティアとは、湯をはったたらいに足を浸した避難住民の手をマッサージしながら、避難住民の話に耳を傾けるというボランティアで、「傾聴」ボランティアの1つといわれることもある。それは、マッサージと会話が同時に行なわれる、典型的な「複合活動場面(multiactivity setting)」である。2つの活動がどのように組織されるかを、会話分析の手法によりながら明らかにしたい。

お問い合わせ

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  • 研究例会に関する問い合わせは、EMCA研世話人(エスノメソドロジー・会話分析研究会 世話人)まで
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