エスノメソドロジー・会話分析入門セミナーを下記の通り5月14日(日)に実施しますので、エスノメソドロジー・会話分析の学習に興味をもたれている方は是非ご参加ください。今回のセミナーは、EMCA研究に関心がありながら、講義等を受講する機会が十分になかった方、この機会にEMCA研究について学び直しをしたいといった方におすすめの内容になっております。
参加希望者は以下リンク先のフォームより申込をお願いします。各コマにつき別個の受付になりますので、受講されるコマを選んでお申し込みください。先着順ですので、お早めの申込を推奨します。
【日時】2023年5月14日(日)10:30~17:45(予定)
【実施形態】オンライン(Zoom)
【参加費】1000円(EMCA研究会会員)/2000円(非会員)(セミナーごと)
【定員】20名(セミナーごと)
【プログラム】
(1)10:30~12:30「エスノメソドロジーの視点」(詳細)
講師:坂井愛理(東京大学大学院人文社会系研究科 死生学・応用倫理センター 上廣死生学・応用倫理講座 特任研究員)
申込ページ:https://emca2023seminar1.peatix.com/
(2)13:30~15:30「インタビューデータの分析」(詳細)
講師:布川由利(高崎健康福祉大学 人間発達学部子ども教育学科 助手)
申込ページ:https://emca2023seminar2.peatix.com/
(3)15:45~17:45「会話分析の基本的な考え方」(詳細)
講師:荒野侑甫(埼玉大学 大学院人文社会科学研究科 学術研究員)
申込ページ:https://emca2023seminar3.peatix.com/
【セミナー詳細】
「エスノメソドロジーの視点」
講師:坂井愛理(東京大学大学院人文社会系研究科 死生学・応用倫理センター 上廣死生学・応用倫理講座 特任研究員)
エスノメソドロジーとは、「人びとの方法論」について明らかにする学問です。実践に参加している人も、研究者も、同様の方法論を用いていることが分析的に示されるような記述が目指されます。しかし実際のところ、1. そのような記述とはいかなるものなのか、2. そもそも人びととは誰のことなのか、これらがわかりづらいと感じている方も多いかもしれません。本セミナーでは、1と2について、エスノメソドロジーの実際の分析を体験しながら理解することを目指します。
具体的には、相互行為における身体感覚の記述をトピックとして取り上げます。一見当人にしかわからないように思われる対象について、エスノメソドロジーの視点からはどのように分析することができるのでしょうか。本セミナーを通して、1. 研究者が分析のために用いる概念が、2. 実践に参加する人びとの方法論でもあるような記述のあり方について、デモンストレーションしながら考えていきたいと思います。
「インタビューデータの分析」
講師:布川由利(高崎健康福祉大学 人間発達学部子ども教育学科 助手)
インタビューは、社会科学系分野において主要な調査方法の一つとなっており、また学術調査以外の場に限らずマスメディアや就職試験など社会生活の中の多様な場面で行われています。そこでは、聞き手による質問と話し手による応答とが繰り返されることで、インタビューという実践が成立しているでしょう。
エスノメソドロジー研究では、インタビューの場でなされるやり取りを、その場の参加者たちが質問をし、答えることを通していかなる活動を行っているか、またその活動がいかに理解可能となっているかに焦点を当て、分析を行います。本セミナーでは、これまで多種多様な場面におけるインタビューを分析してきたエスノメソドロジー研究の例を踏まえ、分析する際の基本的な視点について学び、また実際に行われたインタビューで得られたデータの分析を試みることで、エスノメソドロジーの視点に基づく分析に触れていただきたいと思います。
「会話分析の基本的な考え方」
講師:荒野侑甫(埼玉大学 大学院人文社会科学研究科 学術研究員)
日常生活において、わたしたちは常にことばや身体を使って何かしらの行為を行なっています。会話分析は、そうした行為の構造とその構造の使用の仕方を明らかにする方法論です。会話分析は、日常のおしゃべりに限らず、学校や病院、法廷などの制度的なやりとり、余暇におけるやりとりなど、さまざまな場面における相互行為を研究の対象としています。とくに近年の会話分析は、社会学を飛び越え、言語学、人類学、心理学などの分析方法論としても学際的に使用されています。教科書や研究書が日本語でも多数出版されており、会話分析を独学する機会も多くなってきました。しかし、実際に会話分析をやってみようとしても、初学者にとってはそのやり方について悩むことがあると思います。この講義では、実際に録音・録画されたデータをもちいて、エスノメソドロジーに方向づけられた会話分析の考え方や基本的な分析のやり方を講義したいと思います。とくに受講者の皆様にも実際に分析を体験しながら、これまで会話分析が明らかにしてきた中でも「行為の組織」や「行為連鎖」と呼ばれるものについて扱いたいと思います。