西阪 仰、2008、分散する身体──エスノメソドロジー的相互行為分析の展開

目次と書誌

ヴィトゲンシュタイン派エスノメソドロジーを出発点におき、会話分析の構えに拠りながら、相互行為における行為の組織を検討しました。「ことば」と「からだ」と「もの」が、互いの構造に依存しながら、互いの構造を鍛えあう様子に焦点を当て、人間の行為がどのような仕掛けにより生み出されるかを、原理的に考えました。扱っている素材は、楽器の練習、助産院や産婦人科医院における健診・診察、日常会話です。

はじめに
断片に用いられている記号
序章 相互行為分析のプログラム 「暗黙知」という考えの危うさについて
    • 補論1 デュルケームとマルクスについて
    • 補論2 先行連鎖について
第1章 何の学習か 環境の構造・言葉・身振り
補論 行為連鎖の優先組織について
第2章 分散する身体 I 道具と連接する身体
補論 メルロ=ポンティとマルクス、あるいは相互行為空間という比喩について
第3章 分散する身体 II モデル身体、または身体に連接される身振り
補論 身体の不可能な条件、または「他者」の声について
第4章 分散する身体 III 想像の空間
補論 物語を語ること
終章 相互行為的オブジェクト 物・表象・身体
    • 本文のなかで言及した文献一覧

書評情報

書評
上野 直樹『月刊言語』2009年3月号「書評空間」大修館
細馬 宏通, 2009, 「書評 西阪 仰 著『分散する身体』」, 社会言語科学, 11(2), 99-101.
樫田 美雄, 2010, 「書評 西阪 仰 著『分散する身体』」, 社会学評論, 61(2), 220-221.