開催報告
2014年度の第一回会話分析初心者セミナーを、京都大学デザインイノベーション拠点で開催しました。
セミナーの詳細は「2014年度第1回会話分析入門連続セミナーのお知らせ」をご覧ください。
今回のテーマは「相互行為における非言語的資源」(講師:城綾実)、「行為連鎖組織」(講師:黒嶋智美)、「順番交替組織」(講師:鈴木理恵)でしたが、この一週間前に開催予定だったより基礎的な内容のセミナーが台風接近により中止となったため、ややイレギュラーな状況での開催となりました。しかし、それでも受講生は熱心に講師の話に耳を傾け、実習やグループワークにも積極的に参加していました。
城綾実講師の「相互行為における非言語的資源」では、近年会話分析研究において注目が集まっている、非音声的な振る舞い(視線配布、身振り、姿勢変化等々)の分析手順が教示されました。 このテーマは初心者セミナーで初めて扱うものですが、ビデオデータを使う人なら誰でも、どうやって非音声的な振る舞いを形式的に分析していくかを考えなければなりません。受講生の関心も高く、活発な議論が交わされました。 |
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黒嶋智美講師の「行為連鎖組織」は、去年もその一部がセミナーで扱われたテーマです。今回は会話分析の目的が認識可能な行為の記述にあることを強調しつつ、行為の記述に際しての行為連鎖の重要性を紹介しました。内容は基本的にシェグロフ(2007) Sequence Organization in Interaction の流れにしたがい、隣接ペアとその拡張が説明されました。この流れはわかりやすかったようで、受講生も熱心に聞き入っていました。 | |
「順番交替組織」の担当は、初心者セミナー初登場の鈴木理恵講師でした。初学者には会話分析の研究対象が「行為連鎖組織」「順番交替組織」「修復組織」などいくつかの組織に分かれていて、それぞれが別個の秩序を担当するものであるというイメージが理解しにくく、とくに「行為連鎖組織」と「順番交替組織」は混同しやすいものですが、今回のセミナーでは「順番交替組織」がどんな種の相互行為上の課題に対処するものなのかが、わかりやすく説明されていました。 |