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エスノメソドロジー・会話分析研究会:2004度の活動

2004年度研究大会



概 要

シンポジウム「会話分析の基本概念を再検討する」

書評セッション『実践エスノメソドロジー入門』(有斐閣)

  • 日時:2004年12月11日(土)午後、12日(日)午前
  • 場所:関西セミナーハウス (電話:075-711-2115 ファックス:075-701-5256)

プログラム:12月11日(土曜日)

12時から14時: 世話人会
13時半から: 受け付け開始
14時半から17時半: シンポジウム「会話分析の基本概念を再検討する」[→アブストラクト
■ 司会: 串田秀也(大阪教育大学)
■ 発表者:
高梨克也(情報通信研究機構 けいはんな情報通信融合研究センター)(仮)「順番交替組織について」
鈴木佳奈(英国・エセックス大学)(仮)「修復組織について」
■ コメンテイター:
高木智世(筑波大学)
17時半から18時半: 総会
懇親会

プログラム:2004年12月12日(日曜日)山崎敬一編『実践エスノメソドロジー入門』(有斐閣)

午前9時から12時: 書評セッション:山崎敬一編2004『実践エスノメソドロジー入門』(有斐閣)
■ 司会:
山田富秋(京都精華大学)、樫田美雄(徳島大学)
■ 評者:
高田 明(京都大学アフリカ地域研究資料センター) 田中耕一(関西学院大学社会学部)
■執筆者登壇者:
現在情報集約中です。
シンポジウム「会話分析の基本概念を再検討する」
(シンポジウムの狙い)
 1980年代に、日本において最初の会話分析の論文が発表されてから、早くも20年が経過しようとしています。この間、会話分析の論文・著書は着実に増え、会話分析は日本において定着してきたようにも思われます。しかしながら、その内実はかなり寂しいものだという見方もできます。理由は二つあります。第一に、英語圏において定式化された会話分析の基本的な概念装置が、日本語の会話分析を行ううえでどこまで、どのように適用できるのかどうか。このことが、ほとんど正面から論じられてこなかったということがあります。このような基本的な問題が手つかずのままであれば、地に足のついた研究蓄積とはいえないように思われます。第二に、これは英語圏においても大勢として当てはまりますが、今日、会話分析の論文で使われている概念装置は、そのほとんどが80年代半ばまでに会話分析の第一世代によって定式化されたものです。その後、20年あまり、会話分析にはほとんど新たな概念装置が付け加わっていません。その理由のひとつは、基本的な概念装置を再検討するより、それを幅広く「応用」することに関心が集中してきたことです。このシンポジウムでは、このような現状を認識しつつ前に進むための足がかりとして、さしあたり、会話の「順番交替組織turn-taking organization」「修復組織repair organization」に焦点を当て、上記二つの問題を念頭においた発表と討論を行いたいと思います。
発表1:「他者開始自己修復組織と日本語文法」鈴木佳奈(エセックス大学)
(アブストラクト)
 英語の会話分析の分野では、これまでに、様々なタイプの「修復 (repair)」が存在すること、およびそれらがどう組織されているのかについて、一連の報告がなされている(Schegloff, Jefferson, and Sacks 1977; Schegloff 1979, 1992,1997,2000)。一方、日本語における修復の会話分析的研究はまだ始まったばかりであり、「修復組織は英語と日本語とで同じなのか」、あるいは、「修復に関する英語の概念は日本語会話に応用可能なのか」などの、本シンポジウムのテーマに関わる根本的な問いに答えを出す段階には至っていないように思われる。本発表では、問題源の次のターンで開始される他者開始自己修復 (other-initiated self-repair) という特定のタイプの修復を取り上げ、上記の問いに部分的な解答を示すことを試みる。まず、事例の分析を通して導き出された日本語における他者開始自己修復組織と、英語における同種の修復組織とを比較する。特に、次話者修復誘発手段 (next turn repair initiators)として用いられる日本語の語彙や表現を検討することで、修復組織の少なくとも一部は使用言語に依存していることを論じる。さらに、他者開始自己修復が日本語文法項目から発生する諸問題に対処している事例を提示し、日本語文法の実用性がバックアップ装置としての修復組織の存在に逆に依存していることをも示す。
発表2:「連鎖及び参与構造から見た話者交替システム」 高梨 克也(情報通信研究機構)
(アブストラクト)
 発表者の関心はコミュニケーションにおける「多様だがそれぞれに一理ある」反応の数々とこうした反応を通じて表示される参与者のさまざまな立場について体系的に記述・説明することにある.具体的には,まず会話分析における「連鎖」の概念は隣接ペアのような「義務的」な連鎖だけでなく,他のさまざまな「義務的ではないが可能」な応答をも含むものであると考えられるが,後者について,それがどのような理由で適切な連鎖といえるのかという条件をより明確化していく必要があると思われる.また,ある話し手がターンを取得することの適切性についても,同様に多様な理由ないし「権限」が考えられるが,こうした分類が整備されているとは言いがたい.そこで,本発表では,1.現行発話と次発話の間の連鎖関係の適切性,及び,2.現行話者と次話者の発話者としての権限,という二点を重視しつつ,話者交替システム中のターン割り当て部および話者交替規則中の「1a. 現行話者による次話者選択(他選)」「1b. 次話者による自己選択(自選)」について再検討することを試みる.

2004年度研究例会



概 要

EMとは何なのかという大問題に関連して、昨年12月の定例研究会大会の書評セッションの中で編者や筆者のコメントとして強調されていたことなのですが、EMとはガーフィンケルやサックスに常にさかのぼるべきものだという考え方があります。私もEMとはガーフィンケルのアイデアをどう理解してゆくかの研究領域だと思っています。その点において、何度も社会学とEMあるいはガーフィンケルの関係は再検討すべき問題だと思われます。
 この点について、博士論文『ドロシー・スミスの「フェミニスト社会学」―性別の捉え方・論じ方の形式をめぐって―』を昨年、物された上谷さんに話してもらうことを企画しました。D.スミスにとって社会学とは何であり、そしてガーフィンケルとは何だったのかを、スミスのフェミニスト社会学を理解する上でのポイントを指摘していただく中で、EMの或る理解を提示してもらいたいと考えております。(文責:椎野信雄)
  • 日時:2005年4月24日(日)13時ー17時
  • 場所:成城大学731教室(7号館3階)
発表者:上谷香陽
ドロシー・スミスの社会学の読み方──H・ガーフィンケルとの接点を手がかりに──
  1. ドロシー・スミスの社会学の輪郭
  2. 「事実報告(factual account)」をめぐる問いの所在

コメンテーター:中村和生・池谷のぞみ

発表者のメッセージ:
 この報告では、カナダの社会学社ドロシー・スミスの社会学に対する、一つの読み方を試みたい。スミスは、1970年代以降、「フェミニスト社会学」「制度のエスノグラフィー(institutional ethnography)」「知識の社会的組織化(social organization of knowledge)」などを主題に社会学的探究を展開してきた。その業績は、少なくとも北米の社会学においては、高く評価されているといってよい。その一方、これらの主題となる概念を含め、スミスの議論において用いられるキーワードのそれぞれには、独自の意味が込められている。それゆえスミスの 議論の読解は一筋縄ではいかないものがある。 たとえば、スミスは自らの社会学的探究を、「女性の観点(women's standpoint)」からの社会学をめざすものだと主張する。しかし、この「女性の観点」ということで何を言わんとしているのかということ自体が、 論争の争点になっているのである。  この報告では、スミスが多様なキーワードを考案しながらいかなる社会学的な問題を設定しようとしているのか、彼女の議論の根本的な視点の置き方とはい かなるものか、ということについて考えたい。 そしてその際に、一つの有効な補助線となるのが、スミスとガーフィンケルの接点を探ることであると考える。 スミスはガーフィンケルのエスノメソドロジーから、社会的事実の成り立ちについてどのような発想を得たのか、本報告ではこの点に焦点を合わせてみたい。

担当世話人:

椎野信雄・池谷のぞみ

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